こんにちは。ライバー事務所ニュース、ライブ配信情報局の編集部です。
ライバー事務所の契約書って、正直なところ読んでも何が書いてあるのかよくわからない…そんな経験はありませんか?専属マネジメント契約の内容、違約金の条件、退所後の競業避止義務、収益の分配率、フリーランス新法への対応など、知らないまま署名してしまうと、あとから思わぬトラブルに発展することもあるんですよね。このページでは、ライバー事務所との契約書について気になっている方に向けて、実際にどんな点を確認すべきなのかをできるだけわかりやすくまとめています。
契約書の内容って難しそうに見えますが、ポイントを押さえておくと「あ、ここが大事なんだ」と見えてきます。ぜひ最後まで読んでいってください。
- ライバー事務所の契約書に含まれる主要条項の意味と確認ポイント
- 違約金・競業避止義務・収益分配など、トラブルになりやすい条項の特徴
- 独占禁止法やフリーランス新法など、最新の法規制が契約書に与える影響
- VTuberのアバター著作権や移籍時のアカウント権利など、特有のリスク
ライバー事務所の契約書で確認すべき重要ポイント

ライバー事務所との契約書には、活動の根幹に関わるさまざまな条項が盛り込まれています。「とりあえずサインしておけば大丈夫」という感覚は危険で、後々のトラブルを防ぐためにも、契約書の中身をひとつひとつ確認しておくことがとても大切です。ここでは特に重要な項目を順番に解説していきます。
専属マネジメント契約と業務委託契約の違い

ライバー事務所との関係を定める契約には、大きく分けて「専属マネジメント契約」と「業務委託契約」の2種類があります。どちらで結ぶかによって、事務所とライバーの関係性が大きく変わってくるので、まずここを理解しておくのが大事です。
専属マネジメント契約は、配信活動に関わるプロモートや案件獲得、交渉などを事務所に一括で委託する形です。事務所側がライバーの活動全般をサポートする代わりに、ライバーは他の事務所と契約できない「専属」状態になります。一方、業務委託契約は個別の案件ごとに仕事を発注する形に近く、フリーランス的な色合いが強くなります。
注意したいのが「偽装請負」のリスクです。形式上は業務委託(請負)でも、実態として事務所から細かく作業内容や配信時間を指示されている場合、法的には雇用に近い関係と判断される可能性があります。契約形態と実際の働き方が乖離していないか、署名前に確認しておくことをおすすめします。
違約金条項の内容と相場

契約書の中でも特にトラブルになりやすいのが、違約金に関する条項です。「契約を途中で解除した場合に◯◯万円を支払う」という内容が書かれていることが多く、金額や発生条件をしっかり確認しておかないと、思わぬ請求を受けることになりかねません。
実際のトラブル事例として知られているのが、学業や就職を理由に活動停止を申し出たライバーに対して、「将来得られるはずだった期待利益の喪失」などを理由に1,000万円規模の違約金を請求されるケースです。また、配信ノルマを達成できなかった月の報酬からペナルティ分が差し引かれるという事例も珍しくありません。
ただし、契約書に違約金の記載があっても、それがそのまま有効になるとは限りません。消費者契約法では、事業者側が平均的な損害額を超える違約金を設定している場合、その超過部分が無効とされる可能性があります。また、事務所側が契約上のサポート義務を果たしていなかった場合(案件紹介の不履行、連絡の著しい遅延など)、民法の債務不履行を理由に違約金請求の根拠そのものが崩れることもあります。金額が極端に大きい場合や、不当な拘束感を感じる場合は、専門家への相談をおすすめします。
収益分配率と報酬の計算方法

事務所に所属した場合、配信で得た収益はすべて直接ライバーに入るわけではなく、事務所との間で分配されます。この分配率(レベニューシェア)や計算方法が曖昧だと、実際に受け取れる金額が想定よりずっと少なくなることがあります。
契約書には「収益の◯%をライバーに支払う」という形で書かれていることが多いですが、注意したいのがその「収益」の定義です。プラットフォームへの手数料や運営経費を差し引いた後の金額なのか、それとも売上総額に対する割合なのかで、手取り額が大きく変わります。
確認すべきポイントをまとめると以下の通りです。
- 分配の基準となる「収益」の定義(総売上 or 経費控除後)
- 定額制か出来高制か
- 経費として控除される項目の内訳
- 退所時の未払い報酬の清算タイミング
分配率や控除項目がブラックボックス化していると感じたら、署名前に書面で説明を求めることが大切です。
契約期間と自動更新・解約の条件

ライバー事務所との契約期間は、一般的に1年〜3年程度で設定されていることが多いです。ただし「自動更新」の条件が契約書に入っているケースも多く、更新を止めたい場合には満了日の一定期間前(たとえば3ヶ月前)までに書面で意思表示しなければならないといったルールが設けられていることがあります。
うっかり更新通知を忘れてしまうと、意図せず契約がもう1年延長されてしまう…というケースが実際に起きています。自動更新の有無と、更新を止めるための手続き期限は必ず確認しておきましょう。
また、3年を超えるような長期契約は、ライフスタイルの変化(就職・結婚・体調変化など)に対応しにくいため、初期段階では「短期のお試し契約」から始められる事務所を選ぶのもひとつの方法です。
競業避止義務と退所後の活動制限

競業避止義務とは、退所後の一定期間、同業他社(他のライバー事務所など)への移籍や類似事業の開始を禁止する条項です。これ自体は一定の合理性があるとも言えるのですが、問題はその範囲が広すぎるケースです。
たとえば「退所後6ヶ月以内はいかなる配信活動も禁止」「他のプラットフォームでの活動も一切禁止」といった内容は、実質的にライバーの職業選択の自由を著しく制限するものとして、公正取引委員会が問題視するケースも出てきています。
最新の動向として、公正取引委員会は複数のライバー事務所に対し、合理的な理由のない「退所後の活動制限条項」が独占禁止法上の問題になり得るとして注意処分を下しています。具体的に問題とされたのは以下のような規定です。
| 問題とされた条項の内容 | 公取委の見解 |
|---|---|
| 退所後一定期間のライブ配信活動の禁止 | 合理的理由がなく、ライバーの自由競争を不当に阻害するとして独占禁止法上の問題あり |
| 他社ライバー事務所への移籍禁止 | 同上。移籍・独立を不当に牽制するものとして是正指導の対象 |
| 同種事業(競業)の全部または一部の禁止 | 範囲・期間が広すぎる場合、不公正な取引方法に該当する可能性あり |
契約書にこうした条項が含まれている場合、事務所側に削除・修正を求めることが法令的にも正当な対応といえます。
ライバー事務所との契約書トラブルを防ぐ対策

契約書の問題点を知っておくことと、実際にトラブルを防ぐための行動は別の話です。このセクションでは、契約前・契約中・退所時それぞれの場面でどんな対策が有効なのかを具体的に見ていきます。法律の話もありますが、できるだけかみくだいて説明しますね。
契約書にないと危険な必須記載事項
「口約束でOK」「あとで書面にする」といった形で進めてしまうのは非常にリスクが高いです。特にライバー事務所との取引では、以下の内容が必ず書面(または電磁的記録)で明示されていることを確認してください。
- 委託内容(何をするか)の明記:配信内容、活動プラットフォーム、サポート内容など
- 報酬額と支払期日:いくら、いつ支払われるかが具体的に記載されているか
- 著作権の帰属先:配信で生まれたコンテンツの権利は誰のものか
- 契約解除の条件と手続き:どういう場合に解除できるか、何日前に通知が必要か
- 違約金の発生条件と上限額:どういう場合にいくら発生するか
これらが曖昧なまま契約を進めると、後から「そんな話は聞いていない」「契約書にはそう書いてある」というすれ違いが起きやすくなります。口頭での確認事項も、LINEやメールで記録を残しておく習慣をつけておくと安心です。
独占禁止法違反になる契約条項の特徴
公正取引委員会が問題視している契約条項は、ざっくり言うと「ライバーの自由を不当に縛る条項」です。前のセクションで紹介した退所後の活動制限以外にも、以下のような内容は独占禁止法上のリスクがあります。
- 特定のプラットフォームでしか配信できないという「独占配信義務」が不合理に広すぎる場合
- 事務所の許可なしにいかなる配信活動も行えないという過度な制限
- フォロワー数や収益データなど、ライバー自身が生み出したデータを事務所が独占保有する条項
「合理的な理由があるか」「制限の範囲・期間が適切か」という2点が判断の軸になります。事務所側のビジネス上の正当な利益を守るための制限であれば問題ない場合もありますが、それを大幅に超えた拘束は法的に無効とされる可能性があります。
フリーランス新法が契約に与える影響

「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」、通称フリーランス新法の施行により、個人事業主(フリーランス)として活動するライバーとの取引ルールが大きく変わりました。ライバー事務所がこの法律に対応していない場合、法令違反になるリスクがあります。
書面等による取引条件の明示義務
業務委託を行う際には、委託内容・報酬額・支払期日・著作権の帰属先などを記載した書面または電磁的記録(メール、チャット等)を速やかに交付しなければなりません。「著作権の帰属を書かなかった」というだけでもこの法律に違反する可能性があります。
中途解約・不更新の30日前事前予告義務
6ヶ月以上継続して取引しているライバーとの契約を解除または不更新にする場合、少なくとも30日前までに予告する義務があります。この予告は口頭ではなく、記録が残る形(書面・メール・チャット等)で行う必要があります。
この義務を果たさずに急に契約を打ち切った場合、フリーランス新法違反として行政からの指導・措置の対象になり得ます。ライバー事務所側はもちろん、ライバー本人もこのルールを知っておくことで、突然の契約打ち切りに対して適切な対応が取れるようになります。
契約解除・移籍時のアカウント権利の扱い
事務所を退所・移籍する際に最大のネックとなるのが、配信アカウントの権利帰属問題です。事務所を通じて「公式ライバー」として登録・活動していた場合、アカウント自体の権利は事務所に帰属しているケースが非常に多いです。
その結果、退所時には
- アカウントが削除される、または事務所に接収される
- これまで積み上げたフォロワーやファン情報を引き継げない
- 移籍先では新しいアカウントで一からスタートするしかない
という状況になることがあります。
また、独占契約を結んでいる配信アプリでは、旧事務所との退所手続きが完了していない状態で別アプリのアカウントを開設すると、規約違反として双方のプラットフォームからアカウント停止(BAN)を受けるリスクがあります。移籍を検討している場合は、現在の契約内容と配信アプリの規約を必ず確認してから動くようにしましょう。
VTuberのアバター著作権と契約上の注意点

VTuber(仮想ライバー)として活動する場合、実写ライバーとは異なる権利処理の複雑さがあります。Live2Dモデルやキャラクターデザインには、イラストレーターやモデラーなど複数のクリエイターの著作権が発生しているため、「自分が使っているキャラクターだから自由にできる」という認識は危険です。
| シナリオ | 著作権譲渡の要否 | 対応のポイント |
|---|---|---|
| 日常の配信・収益化 | 不要 | 制作者からの使用許諾(ライセンス契約)の範囲内であれば、スパチャやメンバーシップの収益化も問題なし |
| グッズ販売・二次利用 | 条件による | 許諾範囲にグッズ展開が含まれているか確認。含まれていない場合は別途ライセンス料の交渉が必要 |
| デザインの大幅改変(新衣装等) | 要・別途合意 | 著作者人格権(同一性保持権)への配慮が必要。事前にクリエイターへの確認・許諾を取ること |
| キャラクターの譲渡・売却 | 必須 | 引退後に名義やアバターを第三者に売却するには著作権の完全な買い取りが前提になる |
| ゲーム登場・TV広告など大規模商業利用 | 推奨(必須の場合あり) | 配信の枠を超えた利用には新たなライセンス契約か著作権譲渡が必要になることが多い |
また、Live2D社のサンプルモデルやツールを使っている場合は、同社の使用許諾契約書への合意が必須です。特定の商業利用時には「Live2D出版許諾契約書」の締結が別途必要になるケースもあります。VTuberとして活動を始める前や、事務所との契約を結ぶ前に、アバターの権利関係をきちんと整理しておくことが重要です。
ライバー事務所の契約書は弁護士に確認すべき理由

「弁護士に相談するのはハードルが高い…」と感じる方も多いと思います。ただ、ライバー事務所との契約書は、一般的な賃貸契約や雇用契約とは異なる専門的な内容が多く含まれているため、エンターテインメント法務に詳しい専門家に確認してもらうことには大きな価値があります。
弁護士に依頼することで期待できるメリットは以下の通りです。
- 強行規定・独占禁止法・公序良俗に違反しない契約書の作成・チェック
- 自社・自身に有利な条項バランスの設計サポート
- 契約交渉の場への同席による安心感の確保
- 未払いトラブルや違約金紛争が起きた際の迅速な初動対応
芸能・エンタメ・知的財産に強みを持つ弁護士や弁理士への顧問依頼は、月額5万5,000円程度からが一般的な目安とされていますが、費用は事務所によって異なるため、複数の事務所に相談してみることをおすすめします。また、電子契約システムの導入も、契約書管理の効率化・証拠力の強化・印紙税コストの削減といった面で非常に有効です。
この記事はライバー事務所の契約書に関する一般的な情報提供を目的としており、法律上のアドバイスではありません。具体的な契約内容や法的判断については、必ず弁護士などの専門家にご相談ください。また、法律や規制は改正されることがあるため、最新の情報は公式サイトや行政機関の発表でご確認ください。
ライバー事務所の契約書に関するまとめ

ここまでライバー事務所の契約書について、確認すべきポイントからトラブル防止策まで幅広く見てきました。最後に要点を整理しておきます。
- 専属マネジメント契約と業務委託契約では、事務所との関係性が大きく異なる
- 違約金条項は消費者契約法や民法上の論点から、無効・減額されるケースもある
- 収益分配率は「何を基準にした割合か」まで確認することが重要
- 自動更新・解約予告期限を見落とすと、意図しない契約延長が起きる
- 退所後の活動制限(競業避止義務)は、独占禁止法上の問題になり得る範囲がある
- フリーランス新法により、書面明示義務・30日前予告義務が課せられている
- VTuberはアバターの著作権処理が特に複雑で、契約前の権利確認が不可欠
- 移籍時のアカウント権利は事前に確認しておかないと一からやり直しになる
ライバー事務所の契約書は、内容が複雑に見えても、ポイントを押さえることで「どこが重要か」が見えてきます。署名する前に少し時間をかけて読み込み、わからない点は必ず事務所に書面で確認を求めましょう。そして金額や権利関係に関わる判断は、専門家のサポートを借りることを強くおすすめします。
この記事がライバー活動を安全・安心に続けるための参考になれば幸いです。引き続き、ライバー事務所ニュースでは最新の情報をお届けしていきますので、ぜひチェックしてみてください。
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